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Satsuma 社の経鼻偏頭痛薬 STS101 の新薬承認申請に対する
米国 FDA からの審査完了報告通知(CRL)受領のお知らせ
株式会社新日本科学(本社:鹿児島県鹿児島市、代表取締役会長兼社長:永田良一、以下
当社)の米国子会社 Satsuma Pharmaceuticals, Inc.(以下 Satsuma 社)は、本日(米国時間
1月 17 日)、米国食品医薬品局(FDA)から急性期偏頭痛治療薬 STS101 の新薬承認申請(NDA)
に対する審査完了報告通知(CRL:Complete Response Letter)*を受領しました。
FDA からは、STS101 の安全性を含む臨床試験結果に関連した懸念は表明されず、追加の臨床
試験も求められませんでしたが、主として製剤関連(CMC: Chemistry, Manufacturing and
Control)についての追加の指摘事項がありました。今後、Satsuma 社では FDA と早期に協議の
うえ、本剤の新薬承認の再申請を検討してまいります。
Satsuma 社 代表取締役社長兼 CEO 永田良一のコメント:
『我々は、FDA と連携し、FDA のフィードバックを迅速に解決し、米国の患者さんに STS101
をできるだけ早く届けるために全力を尽くしてまいります』
*CRL は、承認申請の審査が完了した時点で、現在の申請内容では承認に至らない場合に FDA
より発行されるものです。
以上
【本件に関するお問い合わせ】
(株)新日本科学 IR広報統括部
事業の内容
(1) 事業の内容について
当社グループの企業集団は、当社、連結子会社23社及び関連会社4社の合計28社で構成されております。事業の内容は、1.製薬企業等から非臨床試験(注1) 、臨床試験(治験)(注2)及び新薬承認申請業務を受託し、医薬品開発支援を行うCRO事業、2.当社が独自に開発した経鼻投与基盤技術(注3)並びに大学やバイオベンチャーの基礎的な知見や技術を育成してビジネス化していくトランスレーショナル リサーチ(TR)事業、3.当社が鹿児島県指宿市の高台に所有する広大な敷地(メディポリス指宿)の自然資本を活用して地熱発電や宿泊施設運営などを行うメディポリス事業(社会的利益創出事業)を行っております。
具体的には、CRO事業では、安全性研究所、株式会社イナリサーチにおいて非臨床試験の実施及び臨床試験の試料分析を、薬物代謝分析センターにおいて非臨床試験及び臨床試験の試料分析を、株式会社新日本科学PPDにおいて臨床開発(注4)をそれぞれ受託しております。TR事業としては、独自の経鼻製剤技術と投与デバイス技術から成る経鼻投与基盤技術の研究開発を実施しており、より効果的な全身作用を企図した鼻からの薬物吸収に関する応用、より効果的な中枢作用を企図した鼻から脳への薬物送達に関する応用、及びより効果的な感染防御を企図した鼻からのワクチン接種に関する応用を含む3つの応用領域について創薬を行っております。これまでに、TR事業は、独自の経鼻投与基盤技術を応用した、経鼻偏頭痛治療薬を開発中の米国Satsuma Pharmaceuticals, Inc.及び経鼻神経変性疾患レスキュー薬を開発中の国内株式会社SNLDをスピンアウトさせており、TR事業ではこれらの開発会社も支援しています。さらに、経鼻ワクチンに関する研究については、遮断免疫作用を有する新規経鼻ワクチンの研究を推進しており、ワクチンの効果を高めるためのアジュバント(注5)製剤に関する研究にも取り組んでおります。今後、その研究開発を推進するために、ワクチン開発会社や研究機関との更なる連携体制構築を目指しております。その他、核酸医薬品の開発を行う米国Wave Life Sciences Ltd.も、TR事業を起源とした企業です。メディポリス事業では、環境に配慮したバイナリ―式地熱発電(注6)事業を実施するとともに、人々の健康の実現(Well-being)をメインコンセプトとした3つのホテル宿泊施設(ヒーリングリゾートホテル「別邸天降る丘」、中長期滞在型施設「指宿ベイヒルズHOTEL&SPA」及びメディポリス指宿に隣接する一般社団法人メディポリス医学研究所メディポリス国際陽子線治療センターと連携した患者専用宿泊施設「HOTELフリージア」)を当社及びその子会社で運営するホスピタリティ事業を展開しています。
香港の新日本科学(亜州)有限公司はアジアにおける事業を統括し、当社の持分法適用関連会社である中国本土の肇慶創薬生物科技有限公司及び当社子会社であるカンボジア王国のSHIN NIPPON BIOMEDICAL LABORATORIES(CAMBODIA)LIMITEDでは、実験用NHPの繁殖育成と検疫輸出を行っています。
(注1)非臨床試験:臨床試験に着手する前に、実験動物や細胞・細菌を用いて開発中の医薬品等の有効性と安全性を確認する試験です。
(注2)治験:臨床試験のうち、厚生労働省から新薬の承認を得るために実施する試験です。
(注3)経鼻投与基盤技術:既に市販されている薬剤の剤型に工夫を施し、鼻から投与し、鼻粘膜から吸収させ、治療するシステムのことです。
(注4)臨床開発:ヒトに対する薬の有効性と安全性を確認するための試験を実施するにあたり必要となる開発業務です。
(注5)アジュバント:ワクチンの効き目を増強させる成分のことであり、ワクチンに添加することで、ワクチンに含まれる抗原の量やワクチン接種の回数を減らしたりすることができます。
(注6)バイナリー式地熱発電:バイナリー発電方式とは、加熱源により沸点の低い媒体を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回す方式です。加熱源系統と媒体系統の二つの熱サイクルを利用して発電することから、バイナリーサイクル発電と呼ばれています。
(2) 医薬品開発のプロセスにおける当社グループの事業領域について
製薬企業は、医薬品を開発し、最終的に販売するまでには薬機法に基づく様々な試験を実施し、有効性と安全性を確認します。厚生労働省に新薬承認申請を行う際には、それらの試験の成績を添付し、同省諮問機関の専門家による厳密な審査を経て承認が得られるシステムになっております。
医薬品開発のプロセスにおける当社グループの事業領域については、次のとおりです。
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